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フィフニルの妖精達30「閑話・永遠の中で」

 優しく肩を揺らされる感覚がある。
「――ご主人様、お目覚め下さい」
 次いで耳に響くのは無感情な声。重い瞼を持ち上げて薄らと目を開ければ、ベッドの隣、俺のすぐ傍に黒の妖精――ノアの姿があった。
 格好はいつもの外套のような黒い護服。無感情な黒曜石の瞳が真っ直ぐにこちらを見ていて、俺が目覚めたことに気付くと彼女は深々と一礼した。
「おはようございます、ご主人様」
「ん…… おはよう」
 ひとつ欠伸をして上体を起こしつつ、ノアの挨拶に答える。
 と、胸元で温かい何かがごろりと転がる感触があった。
 視線を向ければ、そこにあるのは綺麗な白。
「……ピア、起きて」
「ん、んん……?」
 俺の胸をベッドにして眠っていたのは、白の妖精――ピア。
 安眠を妨害されたことで彼女は幾分不満げな様子で唸りを漏らし、薄らと開いた黒曜石の瞳で俺と視線を合わせた。
 およそ三秒。眠たげだったピアの眼がはっきり覚醒していく。
「――あ、ご、ご主人様、おはようございます」
「おはよう。取り敢えず服を着て」
「っ!? も、申し訳ありません!」
 ピアは自分が一糸纏わぬ裸身を曝していたことに気付くと、慌てて俺の上から移動し、枕傍に畳んであった彼女の白い護服を羽織った。
 胸や尻の柔らかい感触が消えてしまったことを残念に思いながら、またひとつ欠伸をする。
 どうにも眠気が大きい。昨日の晩から今日の早朝にかけて、散々ピアの身体を楽しんだのが原因であることは間違いないだろう。
 まだ耳に彼女の可愛い嬌声が残っているような気がして、思わず耳の辺りを撫でる。
「ご主人様?」
「……ああ。いや、何でもない」
 答えて、ベッドから足を出そうとして、そこでふと気付く。
 股間の窮屈な感覚。数時間前にあれほど出したはずなのに、不思議なものだ。
 俺は傍に立つふたりの妖精に視線を向け、まあいいか、と思い、ベッドから足を出して腰掛ける姿勢になった。
 勃起したモノの膨らみが布団から出て、当然、身長の低い彼女らの視界にそれが入る。
「あ…… ご主人様、その」
「ん?」
「朝のお務めを、致しましょうか?」
 盛り上がった俺の股間と顔を交互に見つめ、ピアが告げる。
 少しだけ頬を染め、恥ずかしそうにしている彼女。けれど少しだけ物欲しそうに見えたのは俺の気のせいだろうか。
「じゃあ、お願いするか」
「分かりました。ノア、あなたも手伝いなさい」
「了解」
 ノアが頷くのを確認したピアは、ゆっくりと俺のパンツに手を掛け、
「失礼致します」
 と前置き、澱みない動作でモノを露出させた。
 起ち上がったモノを見て少しだけ動きを止め、それから手と顔を近付けてくる。
「ん、れろ、ちゅ」
「失礼致します」
 ピアが行為を始めたのを見て、ノアもピアの反対側から手と顔を近付けてくる。
 小さなふたつの手がモノを撫で、小さなふたつの唇がモノを咥える。
「ふ、んっ、う、ご主人様、気持ちいいですか?」
「ん、ふ、ちゅ、んっ、は、れろ」
 ふたりは熱心に息の合った愛撫をしてくる。ピアが亀頭を舐め、口付けている間はノアが幹に舌を這わせる。ノアが亀頭を舐め、カリを指先で撫でている間はピアが幹を撫で、唾液を垂らしてくる。
 初めて口淫をして貰った時から比べるとふたりとも熟達してきていて、その全てが俺のためなのだと思うとどうしようもなく興奮してくる。
 ふたりの頭を撫でることで返事をすると、その動きがやや激しくなった。
「っ、く」
 痺れるような快感に声が漏れる。込み上げてくる射精感に、俺は咄嗟に指示を出した。
「ピア、咥えて」
「あ、はい……! ん、くぷっ……!」
 喜びの微笑と共に、ピアがその小さな唇を一杯に開いてモノの先端を頬張る。
 カリに柔らかな唇が擦れ、小さな舌が尿道口をくすぐる。その動きは激しく、まるで射精を催促されているようだった。
 まあ、さして我慢をする必要もない。俺は衝動に任せ、ピアのその狭い口内にぶち撒けることを想像し、
「っ、出る」
 と、短く宣言した。
 身体の中を何かが駆け上がるような感覚と同時、痺れを伴う脈動が腰に走る。
「んっ……!」
 射精に震えるモノをしっかりと捕まえて、ピアもその動きを止めた。尿道口に押し当てられた舌へと直接精液をぶち当てている感触がある。白濁液の飛沫が彼女を汚していることを実感しながら、俺は最後まで彼女の口内へと放出し続けた。
 ややあって、ピアが少しだけ頬を動かした。同時に尿道口が吸われ、中に残っていた精液の最後の一滴までもが吸い出されていく。ちゅぱちゅぱ、とまるで赤ん坊が母乳瓶からミルクを吸い取るかのようにして精液を全て口内に収めた彼女は、ゆっくりとモノから口を離す。
「んっ…… ふ、ん……」
 口許に手を当てたまま、恍惚としているピア。
 そんな彼女の様子を奇妙に思ってよく見れば、彼女は服の隙間から片手を差し入れ、自分の股間を弄っていた。
 俺の精液を口内に溜めたまま、股間の割れ目の中へと人差し指と中指を揃えて一心不乱に抜き差しするピア。
 ややあってその身体が、ふるり、と震えると同時、ごくり、と喉を鳴らす音が俺の耳に小さく響いた。
「っ、あ、は…… ありがとう、ございました」
「美味しかった?」
「はい…… ご主人様の精液、とても美味しくて、気持ちいいです」
 軽く達した余韻からか、どこか呆とした様子で答えるピア。
「ご主人様、次は、ノアに」
「ああ。おいで、ノア」
「了解」
 ピアが咥えてからずっとお預けを食らう形になって、何もせずピアの痴態を無表情に見つめていたノア。
 俺とピアに促されると俺の足の間に入ってきて、軽く萎えたモノをその小さな両手に取る。
「さ、ノア。ご主人様をもう一度、ね」
「了解」
 その彼女の後ろから、すっかり蕩けた様子のピアがしなだれかかって、その身体に手を這わせる。
「失礼致します…… っ、あ」
「ふふ、ご主人様。ノアも平気そうな顔して、乳首立ってますよ。ここも、濡れてます」
 ノアの服をはだけさせ、小振りな乳房と股間の縦筋にそれぞれ指先を当て、乳首を弄りながら、縦筋に這わせてきた指に絡んだ愛液を俺とノアの視線の間でにちりと広げるピア。
 そんな彼女に一瞬だけ視線を送り、それから俺のモノを指で撫で、口付けるノア。
 丁寧な指と口使い。だが、ピアから与えられる刺激によってか、それが時折ぴくりと乱れる。
「っ、ふ、んっ、く、ちゅ、っあ、んんっ……」
「ノアも、ご主人様の精液が欲しかったら頑張りなさい? ふふ、ほら、指を止めずに」
「了、解」
 俺のモノを刺激しつつもピアから責め立てられ、ノアの吐息が徐々に荒いものに変化してくる。
 無表情でありながらも、他の妖精達が興奮した時と同じようにその黒曜石の瞳が僅かに潤み、そこからの視線が俺のモノへ凝視と言っていいほど注がれているのが分かる。
「んっ、あ、は……! っ、ぃ、あ……!」
 的確な愛撫に加えて、目の前で繰り広げられている白と黒の妖精の絡みに俺の興奮は急速に再燃して、その証拠であるモノも再び勃起してくる。
 そしてどんどん断続的になっていくノアの吐息。ピアの指が遠慮なく胸や股間の縦筋を弄っているからだろう。しかしノアの指使い、口使いが完全に止まることはなく、それどころかピアの愛撫を振り切るようにどんどん激しいものになってくる。
「ほら、ノア? ご主人様におねだりしてみなさい」
 そんなノアの焦りを見透かすかのように、ピアは妖しい微笑みと共にノアの長い耳へと囁いた。
「あ、っっ…… ご主人様、私に、射精を」
「何処に?」
「私の、口内に」
「続けて」
「ご主人様、私の口内に、射精をお願い致します」
「はい、よく出来ました」
 まるで我が子に接するかのように、口上を言い切ったノアの頭を撫でるピア。
 そんな言葉を口にしたのに頭を撫でられてか、あるいは単純に身体を蝕む熱のせいか、ノアは薄らと頬を染めて俺を見上げてくる。
「咥えて、ノア」
「了解」
 要請に対してすぐさま了承の返事があり、はむ、と少し前にピアがしたようにモノの先端を咥えるノア。
 そして小さな舌の先端を擦り当てて尿道口を刺激してくる。
 痺れるような快感が間断なく襲ってくる。思わず声を漏らすと、ピアが、ふふ、と笑った。
「ほら、ご主人様も気持ちよさそうにしていますよ。その調子で頑張りなさい」
「……ピア、君もだんだんミゥみたいになってきたな」
「私はただ、ノアがあまりにも淡々としているので、それを改善しているだけですよ」
 微笑みのまま、とんでもない、とばかりに言ってくるピア。
 そう思いたいところではあるのだが、行為故にどうしてもそう思えないわけで。
「……っ、く、出る」
 ノアが亀頭を舐め上げた時に走った強い快感と射精感に、俺は多少の疲れを感じながら二度目の射精を開始した。
「ん、んっ」
 どく、どく、という脈動に合わせてノアの小さな呻きが漏れる。
 一回目から間を置かずの二回目だというのに、少なくない量の白濁液をノアの口内に注ぎ込む俺。
 それを端からこくこくと喉を鳴らして飲んでいくノア。
 そしてノアに背中から絡みつくピアが、驚きと喜びの入り交じった声を上げた。
「あは、ご主人様、ノアったら凄く喜んでいますよ? ご主人様の精液を飲むのに合わせて、私の指をきゅうきゅう締め付けてきます」
 見れば、ピアが自身にしていたのと同じように、彼女の指の二本がノアの縦筋の中へ根元まで入っていた。
 ピアが小さく抜き差しする度に、重い水音がにちにちと響く。
 もうすっかり出来上がったふたりの妖精を目の前に、咥えさせるだけで終わらせるのは勿体無い気がして。
「ふたりともベッドに上がってお尻を出して」
「ふふ。申し訳ありません、ご主人様。さ、ノア」
「了、解」
 ふたりは揃ってベッドに上がり、まずノアが四つん這いになる。そしてピアがノアの黒い護服の裾を捲り上げ、ノアのお尻を俺の眼前に露出させた。それからピア自身もノアの隣で四つん這いになり、自ら服の裾を引き上げてお尻を晒す。
 ふたりの尻肉の隙間、綺麗な窄まりの下にある無毛の縦筋では、今のふたりと同じように揃って愛液が滴っていた。
 俺のモノが欲しくていやらしく涎を垂らしているのだと思うと、あっという間に俺のモノが硬さを取り戻す。
「んっ…… ご主人様、お願い致します」
 と、意外にも先におねだりの言葉を発したのはノア。
 その痩せた身体の割に豊かなお尻を小さく揺らして、俺のモノに犯されたいと催促してくる。
「ふふ、ノアったら、もう…… 申し訳ありません、ご主人様。宜しければ先にこの子の方を」
「ああ。じゃあノア、行くぞ」
「了解……」
 ノアの縦筋に俺のモノを押し当て、擦り付けて愛液を絡ませる。
 ふたりの唾液とノアの愛液で十分に濡れたところで、俺は一息にノアの胎内へ侵入を果たした。
「っっ……! ひあっ、はっ、あッ」
 ぎゅうぎゅうに締め付けてくるノアの中を間髪入れずに往復させると、感極まった可愛らしい声が零れた。
 ノアの小さな身体に覆い被さり、彼女の最奥、子宮にモノの先端を強く押し当てて、長い耳に囁く。
「気持ちいい?」
「っ…… 肯、定」
「ピアの指とどっちがいい?」
「ご主人様の、おちんちん、です」
「良い子だ」
「ありが――っあっ、ひっ、あ、あっ」
 ぐちゅりぐちゅりとノアの子宮を小突きながら、頭を撫で、黒髪の中のうなじを舐める。
 衝撃に合わせて小刻みに声を上げるその様子からは、普段の無感情な彼女は想像出来ない。
「はっ、あっ、ごしゅじっ、さま、イき、ます…… っ、ああッ」
 宣言の後、すぐさまノアの身体がぶるぶると震えた。
 胎内では俺のモノを一際強く締め上げた後に緩く解ける。何度見ても可愛らしい絶頂だ。
 ノアが荒い息を整えるのを待って、挿送を再開する。
「くっ、あ、ふあっ、申し訳、ありません、っ、でした」
「何が?」
「ご主人様を、お待ちせずに、達して、しまいました」
 突然、切れ切れに謝罪してくるノア。
 そんなことまでノアに教えたかなと思いながら、俺は優しく否定する。
「気にしなくていい。ノアの感じるようにすればいい」
「っは、ありがとう、ございます…… あっ、はあっ」
 後ろから俺のモノに貫かれ、可愛い声を上げながら身悶えるノア。もう無表情は崩れ、弱々しい表情が表に出始めている。
 そんな彼女をより可愛いと思い、もっと見てみたいと腰の動きを強めていく。
「あ、あっ、あ、く、ひっ、あ、あっ、あっ、あっ」
 一突きする度に痙攣するように締まるノアの中。モノ全体をざらりとした膣壁でぎゅうぎゅうと締め上げてくる俺専用の小さな名器。
 そこを俺の欲望で穢してやろうと、溜まってきたものを開放する。
「っ、ノア、出すぞ」
「了、解。私の子宮内に、射精、してください」
 ノアの了承と要請を受けて、彼女の小さな身体を強く抱き締め、最奥にモノを強く押し付けながら射精を始める。
 どくり、どくりといつもの脈動が彼女の身体に伝わり、跳ねるように痙攣しているのが分かる。黒の翅が俺の腹の下で小刻みに震える感触が心地よい。
「あ、あっ……」
 俺の精液を余すことなくノアの子宮の中に注ぎ込むと、その証として下腹は小さく膨れる。それを撫でてやりながら、俺はモノを引き抜いた。
 名残惜しく絡み付いてくる肉が離れると、少なくない愛液が雫となってベッドに落ちる。
「……っ、ありがとう、ございました」
 いちいち礼を言ってくれるノアの頭を撫で、俺は別の方向へ腰と共にモノを向ける。
 そこで尻を突き出し下の口から涎を垂らしたまま大人しく順番待ちをする、もうひとりの妖精のために。
「ご主人様、私にもお願い致します……」
「ちょっと待ってくれ」
 流石に短時間で三度も出してはすぐには勃たない。
 俺は半萎えのモノをピアの尻肉の間に挟み、ゆるゆると扱く。
 しかしその僅かな刺激が相当に焦れったいのか、ピアはすぐに抗議の声を上げた。
「やっ、ご主人様、意地悪しないで下さい…… っ、お願いですから、私のそこに、ご主人様のおちんちんを下さい」
「まだ入らないんだ。代わりにこれでも食べててくれ」
「っ、あっ!?」
 なかなか勃たないモノの代わりにつぷりと挿入したのは俺の中指。
 彼女らのそこの狭さには本来丁度いいぐらいの太さと長さで、たっぷりと濡れたピアの膣の中へ苦もなく侵入を果たす。
「やっ、あっ、ご主人様の、指っ…… んっ、あっ」
「美味しいか?」
「んんっ…… も、もうちょっと、奥まで、お願い致します…… あっ、はっ」
 要請に応えて、指先をピアの最奥、子宮口に押し当てる。
 そこをくりくりと押し上げるように刺激すると、彼女の身体は断続的に震えた。
「あっ、あっあっ、ひっ、あ……! いい、気持ちいいです、ご主人様っ、っあっ」
「もっと欲しい?」
「っあ、はい、お願いします、もっと、太くて、おっきいのを……!」
 ピアは快楽に蕩けた表情で喘ぎながらも、もっと、と贅沢に要求してくる。
 回数を重ねて慣れてきたせいか、最近はピアにもいくらか余裕が見られるようになってきた。その余裕を良しとせず、更なる快楽を求めてくるのが彼女達らしいと言えるが。
 まるで入れれば入れるほどに容量が増える貪欲な壺のよう。
「じゃあ、二本だ」
「あ、んっ、や、はぁ、ご主人様ぁ……」
 中指に人差し指を添えて、ピアの縦筋の中へと差し込み直す。
 抜き差しし、揺さぶり、捻り、押し込む。四つの動きを入り混ぜて、窮屈なピアの秘所を掻き回す。彼女は調子よく、あんあん、とだらしなく声を上げ、見た目は幼く無垢な下の口から涎をたらりたらりとベッドの上に零す。
 それでもまだ達さない。荒い息を吐きながら、物欲しげな視線で俺をちらりと振り向き見てくる。
「ご主人様、おちんちんまだですか……?」
「欲しい?」
「はいっ、ご主人様の、ご主人様のおちんちんで、イきたいんです……!」
 可愛いことを言いながらお尻を小さく振って、彼女の尻肉に挟まれて半勃ちになっているモノをまだ勃たないのかとばかりに刺激してくる。
 モノを離すと、あっ、と切なげな声を漏らし、逃がさないとばかりに尻を押し付けてくる。
「ご主人様、お願いですから、意地悪は」
 言葉とは裏腹に、行動は強制を促すものだ。
 俺は苦笑いしながらピアの秘所に差し込んでいる指を抜き、ようやく半勃ち以上になってきたモノの先端を代わりに押し付けた。
 それだけで彼女の身体はふるりと震え、背中の光の翅をもどかしげに動かす。
「あ、は、早く、ご主人様……」
「まったく、淫乱な族長様だ」
「っ、ああああっ!」
 ぐちりと一息にモノを最奥まで突き込むと、ピアは背を仰け反らせ、甲高い声を上げた。
 そして一瞬の間があって、その小さい身体と共に翅がぶるりと震える。彼女自身の言葉通り、俺のモノで達したのだ。
「はっ、あっ、ああ…… ご主人様のおちんちん、私の中に入ってます」
 絶頂の余韻か、蕩けた声でそう呟くピア。
 そんな彼女を抱き上げて、背面座位の体勢へと持っていく。彼女の自重でモノが更に沈み込む感覚に、ひう、と可愛らしい声が上がる。
「はっ、やっ、ご主人、様……」
「おちんちん、気持ちいい?」
「はい、ご主人様のおちんちん、気持ちいいです…… っ、あ」
「どういう風に?」
「っあ、私の中を押し広げて、おちんちんが行ったり来たりする度に、身体が痺れて、それで、それでっ……! っ、ああっ!」
 回答の途中でまたピアの身体がぶるりと震えた。
 串刺しの刺激が強すぎるのだろう。彼女の身体を軽く支え、その長い耳の先端を咥えて囁く。
「ひ、あっ……!?」
「耳、舐めていい?」
「あ、や…… っ、はい、ご主人様、私の耳、味わって下さい……!」
「ん」
 許可が出たところで、咥えている部分――ナイフの先端のようにすらりと尖ったそこを、刃の手入れをするように舐めていく。
 この長さを支えるためなのか、人間の耳よりも少し固めの感触がある。それ以外は人間とさほど変わりないように思える。
 長いのは一体どういう役目があるのか少し疑問に思いながら、とにかく舌を這わせた。
「あっ、やっ、ああっ、ひっ、あっ、やあっ……!」
 耳を這う舌に抵抗するように小さく頭を振り。股間に突き刺さるモノから逃れるように腰を振り。
 そのふたつの動きが重なって、快感に身悶えするようにふるふると身体を震わせるピア。
 そんな彼女の動きの全てが快感となって俺のモノに伝わってくる。
「ん…… ピアの耳、美味しいな。それと、こっちも」
「はっ、あ、ありがとう、ございます…… っ、あうっ、ご主人様のおちんちんも、とっても、っあっ、美味しい、です」
「さっきから美味しそうに食べてるもんな…… っく、出していいか?」
「あ、お、お願いします、ご主人様の精液で、あっ、わ、私のお腹の中も、一杯にして下さい……!」
 お互いに腰と口を動かして囁き合い、了承を得て、俺は再びモノから精液を撃ち放った。
「はっ、あっ、あっ、あぁ……! 精液、っあ、ご主人様の精液が、一杯……!」
 どくりどくりと脈動をピアの腹に響かせる度に彼女の歓喜の声が耳に届く。
 俺のモノの挿入で歪に盛り上がっていた下腹が更に膨らんでいく。
 そのお腹を撫でてやると、喜びを表すかのように膣をきゅうきゅうと締め付けてくるのが可愛い。
「美味しかったか?」
「っ……!」
 そう長耳に囁くと、ピアはまたぶるりと震えて、
「はいっ…… ありがとう、ございました」
 お腹を撫でる俺の手に彼女の手を重ね、淫らに微笑んで一礼した。


 朝食を終えてから部屋に戻ると、早朝からどこかに出かけていたらしい橙の妖精――ニニルが部屋に戻っていた。
 彼女の普段着らしい、黒の外套に白のワンピースをきっちりと着て、仕事道具のひとつであるらしい手帳を片手に眺めている。首から胸元にぶら下がる、彼女には少しばかり大きいデジカメはこの前俺がプレゼントしたものだ。ちゃんと使ってくれているらしい。
「お早う、ニニル」
「ん、悠ですか」
 視線は手帳に向けたまま、挨拶もない。
 それを彼女らしいと思いながら、俺はパソコンの電源を点ける。
「新聞を作ってるのか?」
「いえ。今は内容の整理を」
 言いながら、ニニルはその背中に浮かぶ二対四枚の∨字状の翅に橙色の光を灯し、同じくその光が灯った指先で手帳のページに触れた。
 妖精炎魔法によって内容を記述しているのだろうか。やはり何かと便利な魔法だ。
 その内容が気になって、俺はそっと彼女の背後に回り――
「何してるんですか」
 瞬間、閉じられた手帳の背表紙が眼前に迫ってきた。しっかりと残像が見える速度で振り抜かれたそれを避ける術はなく、鼻の頭に直撃。
 それなりの痛みで鼻を押さえる俺に、ようやくと言うべきかニニルはその鳶色の瞳を向ける。
「他人のものを勝手に見てはいけないと教わらなかったんですか?」
「全くもってその通りだ」
 俺の答えに、はあ、とこれ見よがしに溜息を吐くニニル。
 相変わらず他の六人とは違ってドライな感じだが、これが普通の対応だと思うと安堵するものがあるのも確かだ。
「今は邪魔しないで下さい。私に近寄らず、大きな音を立てないように」
「分かった」
 俺の部屋に半ば強引に居座っている割には随分な言い方だが、勿論そんな不満は口にしない。
 俺に重い負い目があることは事実であるし、一度それを認めた以上、後になって撤回するのはあまりにも情けない。
 大人しくニニルの言葉に従って、俺は日課でもあるインターネットでニュースサイト巡りに興じることにする。
 ブックマークのリストから、いつものアドレスを呼び出す。穏やかなライトグリーンの配色を背景に、シンプルな見出しが並ぶ。
 その中から興味を惹くものを選び出して、ゆっくりと閲覧する。
 政治、経済、芸能、事件…… 十つほどのニュースを見て、俺はひとつ伸びをした。
 この国は今日も平和だ。かの国は今日も強引で、かの国は今日も我侭だ。
 幾つか凄惨な事件はあったが、それもいつものこと。その辺りは数年前も変わりない。
 これといってよく調べるほどに興味を湧かせる話もなく、俺は日課を終えようとして、
「何を見てるんですか?」
 と、俺の肩に手を掛け、画面を覗き込むニニルがいつの間にか傍にいた。
「ニュースサイトだよ」
「……ふむ。新聞のようなものですか」
「まあそんなところだな」
 俺の言葉ではなく画面を見てそう判断したらしい。それに苦笑しつつ、彼女のために適当にニュースを見直す。
「この世界では新聞とはもう一般的ではないんですか?」
「んー、いや。この国では確かにそうだが、こういう機械が普及してない場所には普通に流通してる」
 この国において新聞というメディアは今や過去のものだ。パソコンかテレビがあれば誰でもこのようにニュースサイトやチャンネルから、各情報社の発した情報を比較しながら読むことが出来る。
「ふむ…… なるほど。いいですね、こういうものは。参考になります」
「でも、新聞はなくなってしまうぞ?」
「別に新聞が出したくて記事を書いているわけではないですから。手段は何だっていいんですよ。そこはより良い――早く、正確に読み手に伝わるものを採用していくべきです。こういうものが一般に普及しているのにそれを使わないのは馬鹿のやることですよ…… っと、失礼しますね」
 もう少しよく見せて下さいね、と言って、ニニルはぐるりと俺の前に回り、俺の膝を遠慮なく踏み台にして画面に見入る。
 俺の視界から画面が隠れ、代わりに黒の外套に包まれたニニルの小さな尻が眼前やや下方にやってくる。
 普段は許可なく触れると痛烈な一撃を見舞ってくる割には、こういうところで無防備な子だ。
 密着に近いせいか、妖精独特の甘い匂いが俺の鼻腔を漂い始める。
「……なあ、ニニル?」
「何ですか」
 こちらに視線を向けず応答するニニル。尻が応答したようにも見える。
 そんな発想に笑みを浮かべつつ、俺は下半身で燻ってきた衝動に突き動かされるように次の言葉を発した。
「妖精炎の補充、しとかないか?」
 妖精炎の補充とはこの場合、勿論と言うべきかニニルとの性行為を指す。
 婉曲な表現をしないと殴られるので彼女との間ではこういう言い方になっている。これなら彼女も俺という人間との行為を仕方のないこととして受け入れられるのか、それなりに素直になってくれるのだ。
「ん…… いいですよ。どうぞ」
 しかしニニルは画面のニュースに夢中なのか、こちらを見ずに素っ気ない返事をした。
 本当に自分の仕事に関連することが好きなんだなと思いつつも、許可が得られたので早速行動に移す。
 手を伸ばし、その黒い外套の裾を掴んで捲り上げる。その向こう、太股で切れている白い布裾を捲り上げれば――
「……ふむ」
 呟いて、生唾を飲む。白い布地の向こうから露になったのは、小さいが柔らかそうな生尻。いつだったかあれこれ言っておきながら、下着を着ける習慣はないらしい。
 そっと手を添え、指を這わせる。
「ん……」
 ニニルの小さい反応の声。しかし視線はこちらに向けておらず、まだ画面を見ている。
 ならばと柔らかい尻肉の感触を十分に楽しむため、すりすりと擦るように指を滑らせ、尻肉を掴み、広げる。綺麗な窄まりを視姦する。
「ん、ふ……」
 存分に見られているのは分かっているはずだ。その証左として、ニニルの頬と耳に赤みが差し始めている。
 そして感じていることも。股から前へと指を忍ばせて柔らかい縦筋を割ると、ぬちりと強い水気がある。
 けれどニニルは意地を張るかのように――というか意地を張っているのだろう。何事もないかのように画面を見続けたままだ。
 それならばと俺は笑みを浮かべ、尻肉に舌を這わせ始めた。
「んっ……!」
 ぬるりぬるりと、唾液を多量に滴らせた舌で尻肉を舐め、徐々に中央、窄まりの方へと近付けていく。
 流石に強い身震いの声をニニルが漏らしたことに気を良くして、俺はついに彼女の小さな菊門を舌先で突いた。
「あっ、ぅ……!」
 唾液で濡らした狭い門をそのままくすぐり、軽く舌先を入れる。途端にきちりと反応して異物を追い出そうとする括約筋に抵抗して、少しだけ門を割り開いてやる。
「っ、ふ、ぁ……!」
 舌を抜いて、代わりに小指を挿入してやる。唾液のお陰でつぷりと楽に侵入を果たした小指の先が、ニニルの腸壁に包まれる。指先を曲げてくいくいと撫でてやると、ついにニニルはくたりと膝を折った。
「あ、う……」
「気持ちいい?」
「っ…… っ、あ」
 ニニルは答えない。
 けれど、俺の膝の上に座り込みながら尻の穴を弄られ、あっあっ、と可愛らしい声を漏らす彼女の反応を見れば一目瞭然ではあった。
 背中で時折ふわりと輝く橙の羽が綺麗で、俺はその光に見惚れながらも彼女の尻穴を愛撫し続ける。
「く、あ、悠……っ」
 荒い息を吐きながら、ニニルがこちらを横目で見つめてくる。
 尻の穴を広げているのは既に中指が根元まで。それでも物足りないようだと、暖かい腸内を惜しみながら指を抜いた。
 抜いた指を眼前で確かめる。ニニルの腸液でてらりと濡れた指は独特の強く甘い匂いを放ち、汚れは見えない。
「最近、何も食べてないのか?」
「忙しかった、ですから…… それより、早く」
「分かった」
 それならばと特に何をするでもなく、俺は十分に硬くなったモノを取り出して、ニニルの尻穴へと宛がった。
 愛撫で緩んだそこは物欲しそうに小さく口を開き涎を垂らしながらも、十二分に狭い。
「っ、早く――」
「行くぞ」
「う、あ、あっ…… あ、あっ!」
 催促されて、俺はモノの先端に彼女の腸液を塗るのも半端に、その狭い場所への侵入を試みた。彼女ら妖精独特のしなやかな肉がみちりと驚異的に広がって、俺のモノを受け入れてくれる。
「あ、はっ、あっ、は、あっ……!」
 それでも流石に息が詰まるのか、大きく口を開いて荒い息を吐くニニル。
 そんな彼女が可愛くて、その橙色の髪を撫でて頬を垂れる汗を指先で拭ってやりながら、モノを最後まで彼女のお腹の中に押し込んだ。
「あ、おっ……! は、入りました、か……?」
「入ったよ」
「っ…… どうですか、私の、中は」
「狭くて暖かくて、気持ちいい」
「そう、でしょうね…… っく」
 当然だとばかりに言って、しかしニニルは踵で俺の膝を蹴り付けてきた。
「痛いぞ」
「無性に、腹が立ったので」
「何で?」
「屈辱だから、ですよ。当たり前じゃ、ないですか…… っ、あっ、うっ」
 言いながら腰を捻り、快感を生み出そうとするニニル。
 それも焦れったくなったのか、こちらを睨んで言ってくる。
「早く、精液を吐き出して下さい」
「いいのか?」
「何のためにこんなことやってると思ってるんですか。いいから、早く」
「分かった分かった」
 ニニルの小さな腰を掴まえて、まずは揺するように腰を浅く動かしていく。
 触れ合う太股や彼女の尻肉。そして何とも言えない感触の翅。背面座位の状態だからこそ感じる密着感が心地よい。
「うっ、あっ、くっ、はあっ、あっ」
 ぬちぬちと尻穴を刺激され、鈍い声を漏らすニニル。声はそんなのだが、かなり気持ちいいのであろうことは前の筋からとろとろと湧き垂れてくる愛液でよく分かる。
「ふ、ああっ……!」
 そうこうしている間に、早くも絶頂らしきものをニニルは迎えた。小さな身体をふるふると震わせ、きゅうっとより強く尻の穴を締め付けてくる。まだこちらの穴での経験は少ないはずなのに、可愛いものだ。
 そんな彼女を気遣って腰の動きを止めると、すかさず踵が俺の太股に入った。なかなか痛い。見れば、頬を赤く染めながらもこちらを睨み付けてくる。止めるな、ということのようだ。
 ならばと遠慮なく、腰の動きを再開する。
「あっ、くっ、あ、はっ、あ、はあっ、おっ、あっ、ああっ……!」
 ゆっくりと動きを大きく加速するに従って、ニニルの喘ぎ声も大きいものになってくる。そして俺の快感も。
 モノは彼女の腸壁に余す所なく包まれて、かなり気持ちがいい。人間なら人によっては締め付けがなく、物足りなく感じることもあるようだが、彼女らの直腸は元々狭いため、それを押し広げて侵入している俺のモノは容赦なく締め付けられる。
「っく、ニニル、そろそろ――」
「あっ、はあっ、早く、精液っ、熱いの、あ、おっ、お腹の、奥に――!」
 俺がそう告げた途端、ニニルは尻穴を締めながら腰を捻り、催促してきた。
 その動きに俺の快感が閾値を超え、駆け上がるような衝撃が腰を跳ねさせる。
「っ」
「う、あ、ひううっ……! あっ、おっ……!」
 どくりどくりと、朝食前にあれだけ出したのにまだ多量の精液が脈動と共に噴き出すのが分かる。
 よくもこれだけ出せるものだと自分のことながら勝手に思いつつ、最後の一滴までニニルのお腹の中へと注ぎ込んだ。
「ふ、う……」
「は、あ、はあっ、は……」
 ふたり揃って息を整える。
 ややあってニニルがこちらにちらと視線を寄越し、そして――またもどすりと、俺の膝に彼女の踵が突き刺さった。
「なに、休憩してるんですか」
「え?」
「二回目。ほら、早く」
 そんなことを少し怒っているような調子で言って、早くも次を催促するニニル。
 思わず呆気に取られていた俺はそんな彼女に苦笑して、すぐさま二回目の射精を目指して腰を動かし始めた。
「くあ、はっ、あっ、おっ、いっ、あっ……!」
 ずんずん、ぬちぬち、と大きい抜き差しの度に温かい腸壁が絡んでくる。
 ニニルも二、三度絶頂を迎えて丁度いい塩梅になっているようで、大きく開いた口から荒い息を吐き、舌を突き出して喘いでいる。
「気持ち、いいか?」
「っ、はっ、はあっ……! っっ、はいっ、ああっ!」
 問うと、最初の時とは違って確かな返答があった。
「悠のっ、人間の、おちんちんっ、いい、ですっ……!」
「お尻の穴、なのに?」
「気持ち良いものは、しかたない、でしょうっ……! ふっ、うっ、あっ!」
 人間のモノで、排泄の穴での快楽を認め、ニニルは喘ぐ。
 そんな彼女を無性に褒めてやりたい気分になって、俺は彼女の小さな身体をぎゅっと抱き締めた。
 それに反応してか、彼女のお腹の中にある俺のモノもぎゅうっと締め付けられる。
「っ、出る……!」
「あ、うっ、あああぁっ!」
 一際大きく俺の腰に脈動が走ると同時、釣られるようにニニルの身体もぶるぶると震えた。
 軽い虚脱感と共に、まだまだ少なくない量の精液をニニルの中へ追加で注ぎ込んでいく。
「っ、はっ、はあっ、はあっ、は…… ふふ……」
 荒い息を吐きながら、ニニルが妖艶な笑みを浮かべたのは、きっと見間違いではなかったと思う。


 昼食の後、俺は用事があって家を出た。
 前々から期待していた映画が上映されるということで、以前にも行ったショッピングモールへと向かうことにしたのだ。
「しかし慣れぬの、この手の乗り物は」
 後部座席でそう言うのは紫電の妖精――ヅィ。いつぞやのミゥほどではないが、額に手を当て、疲れた表情を隠さない。
「訓練が足りないんだよ」
 そう短く一蹴するのは助手席の青の妖精――シゥ。流石と言うべきか、彼女は他の妖精達と違って平然とした様子だ。
 付いて来たのはこのふたりだけ。他の皆はそれぞれにやることがあるらしく、惜しみながらも見送ってくれた。ふたりもやることがないわけではなかったらしいのだが、今日の俺の警護担当ということで優先されるらしい。
「お主と一緒にするでないわ」
「お前といいミゥといい、飛竜に乗る時間が足りないんだよ。だからすぐ新兵みたいなこと言い出すんだ」
「それは関係なかろう。わらわが苦手なのはこの乗り物から漂う臭いじゃ」
「どーだか。確かに気持ち悪いが、そこまで来るもんじゃねえだろ」
「――済まん。ふたりとも、ちょっと静かにしてくれ」
 やいのやいのと言い合うふたりに口を挟む。
 ただ煩いだけならそれほど気にはならないのだが、彼女らの声質が非常に良い為にただの雑音として聞き流せず、それが仇になって普通の人間の言い争いより余計に気が散るのだ。非常に気に入っている曲を聴いていると他の作業が手に付かなくなる現象に近いものがある。
 助かるのは、不満そうにしつつも俺の言うことは逃さずしっかりと聞いてくれることだ。
「悠よ。膝の上に行ってはいかんかの?」
「流石に今は勘弁してくれ。後で幾らでも抱いてあげるから」
 こういう要請が後に続いたりするのも可愛いものだ。勿論、承諾は出来ないが。
 そんなやり取りを幾度か繰り返しながらモールの駐車場に到着し、揃って車を降りる。
「悠、早速頼むとするかの」
「はいはい」
 言葉通りに早くも約束の履行を求めてくるヅィを片腕に抱き上げる。いわゆるお姫様抱っこの形にすると、満更ではなさそうに笑みを浮かべる彼女。
 それを何やら面白くなさそうに見ているシゥを見つけ、彼女もひょいともう片腕に抱き上げた。
「ご主人、俺は別に頼んでないぞ」
「俺がシゥの抱き心地を味わいたい。駄目か?」
「……ご主人がそう言うなら、いいけどよ」
「素直でないのう」
「黙れ」
 くふ、と笑うヅィを睨み付けるシゥ。
 そんな彼女らを抱えたまま、俺はモールの中に入っていく。人目に付く寸前で、ふたりの姿は燐光と共に消え失せた。
 消えたふたりを抱えている俺は傍目から見ればかなり変な格好になっているが、まあ仕方ない。
 時折奇異の視線を向けられながらも問題なくチケットを買い、映画館に入る。実際にあれこれ訊いてくる人なんていやしないのだから想像されるよりも楽だ。ちなみにチケットはちゃんと三人分買った。
『で、今回はどういう話なんだ?』
『まあ、それは見てからのお楽しみってことで』
『お主は元語り部というに、時折辛抱が足りぬの』
『煩い』
 そんなやり取りを耳にして苦笑しながら上映を待つ。
 やがて暗転と共に始まったそれに期待を込めつつ、俺はちらとシゥが座っているはずの席を見た。
 今回上映される映画のテーマは相棒。主人公とヒロインの息の合った派手なアクションがウリという触れ込みだった。
 六人の中では切っての武闘派で鳴らし、俺が強くなるための訓練と講義の教官を最も多く受け持ってくれているふたり。
 自惚れているわけではないが、これを見て少しでも楽しんで貰えたらという目論見はあった。
 お決まりの広告の後、本編の上映が始まる。
 戦いの最中に出会った主人公とヒロイン。成り行きで共闘を繰り広げ、互いの目的が近いところにあることを知って意気投合。一時的な相棒の契約が結ばれる。
 途中でそれぞれが抱える問題に向こうを巻き込んだり巻き込まれたり、行き違いで喧嘩をしたりとトラブルが起きるも、雨降って地固まるを体現するかのように徐々にお互いの結束は強くなっていく。
 そしてついにお互いは同時に目的を達成し、相棒契約に終わりがやってくる。お互いに想いを抱き、しかし律儀に契約に従って相棒を解消したふたりは、些細なことから大喧嘩をしてしまう。
 それを逃さぬかのようにやってくる敵の残党。ふたりは一時追い詰められるも初遭遇の時のように偶然に合流し、そこから怒涛の反撃で相手を殲滅。大喧嘩をしたことが嘘のように、お互いはお互いが一緒にいないことなどもう考えられないと告白し、死がふたりを分かつまで相棒でいることを誓う。
 最後にこの手の話ではお決まりの、薄布一枚向こうでの軽いラブシーンがあって、それで映画は終わりとなった。
 スタッフロールが流れる中、次々に席を立ち始める他の聴衆を一瞥して、俺もひとつ伸びをする。
『さ、帰るか』
『うむ』
『あ、ご主人。ちょっと』
 腰を上げると同時にそう声を思い浮かべると、シゥから待ったが掛かった。
『どうした?』
『花探しに行きたくて。この近くにあるか?』
『ああ……』
 花探し。いわゆる用足しのことを指す彼女らの隠語に、俺は普通に頷く。
『大丈夫、ここを出てすぐのところにある』
『すまん、連れてってくれ』
『分かった』
 返事と共にシゥの席に手を伸ばすと、すぐに不可視のものがしっかと掴まってくる感触がある。
 それを確認して胸元に抱き寄せると、くふ、と笑い声の気配があった。
『氷の稲妻ともあろうものが型なしじゃの』
『るせえ』
『わらわはその辺りを見物しておる故、済んだら適当に出てくるが良い』
『分かった』
 言うが早いが、それまで反対側の席にあった気配がすう、と消える。
 思わず手を伸ばすが、何の感触もなく宙を切って指先はシートに触れた。
『ご主人、早く』
『ああ。行こうか』
 歩き出すと、シゥが首元に抱き着いてくる。
 瞬間、甘ったるい匂いが強く鼻を突いた。
 ここ数日で何度も、そして今日の朝にも嗅いだことのある特徴的な匂いに、俺は思わず足を止める。
『ご主人?』
『いや、何でもない』
 可能性を考えつつも、取り敢えずシゥの言われた通りに公衆トイレに向かって足を進める。
 上映ホールを出たところで、ぎゅう、と首元に抱き着いてくるシゥの力と感触がより増した。
『ご主人、その。ごめん。嘘』
『ん?』
 唐突な告白に、また足を止める。
 不意に頬に感じたのは、甘い匂いを伴なう熱い吐息。
『ご主人、抱いて。えっちして。今すぐ』
『今すぐ?』
『うん。 ――我慢、出来ない』
 俺の鼻腔に漂う強い甘い匂い――妖精達の発情の匂いにそのシゥの要請は半ば予想していたが、それでも普段のシゥからは考えられない情熱的な告白に少し戸惑ってしまう。
『何処でもいいから、早く。お腹の中に、ご主人のおちんちん欲しい』
 脳内に熱く囁かれる言葉に、そう言われてもな、と言い訳しつつ場所を考える。
 一番いいのは車の中まで戻ることだが、シゥが嘘をついてまでヅィを遠ざけたことを考えると、この近くで済ませて欲しいということなのだろう。
 そうなると、一箇所しかない。
 俺はシゥの姿が見えていないことを一瞥して再確認すると、つい先程まで向かおうとしていた目的地――公衆トイレに向かった。
 男性側に入って、小便器の反対側に並んでいる個室の、その一番奥に入る。
 幸いにここのトイレは清潔感があり、映画館らしく洒落ているが落ち着いた装丁が壁に成されている。それほど嫌悪感は湧かない。
『シゥ、姿を見せて』
 蓋を閉じた洋式便器の上にシゥを下ろし、そう伝える。すると僅かな薄青色の燐光と共に、いつものシゥの姿がふわりと現れた。
「こ、ここでするのか……?」
「何処でもいいって言ったから。ほら、お尻出して」
 頬に朱色を差した恥らいの表情で躊躇いつつも、シゥは俺の囁きに素直に従った。先程彼女自身が言った通り、欲望が抑えられないのも理由の一つだろう。すぐに俺に背を向けて四つん這いになり、その服の裾を自らたくし上げた。
 トイレのやや薄暗い明かりに照らされたシゥの秘部に下着はなかった。ただ、てらりと濡れそぼった幼い陰門と窄まりがあるのみで、そこからは少し離れていても分かるほどに甘ったるい発情の匂いが漂って来ていた。
「う…… 早く……」
 俺の視線を感じるのか、催促の言葉と共にシゥが腰を捩る。すると閉じた陰門からとろりと愛液の雫が糸を引き、その下の乳白色の便座の蓋の上に垂れた。
「その前に、これ咥えて。声出すと流石にまずい」
 早く襲い掛かりたい衝動を押さえながら、俺はハンカチを丸めたものをシゥの口許に押し付けた。
 彼女が素直に唇を開いたそこへ押し込むと、丁度いい塩梅に口が塞がったように思える。
「じゃあ、入れるぞ」
 宣言して、俺はシゥの甘い匂いにすっかりその気になったモノを彼女の縦筋に押し付け、ぬちりと割り入った。
「んんっ……!」
 くぐもった声をシゥが漏らすと同時に、その小さな身体がぶるぶると震える。早速達したのだろう。
「ふうう……!」
「こんなに発情して、入れただけでイって。シゥもすっかりイヤらしい子になったな」
「う、ふうぅ…… っ、ふっ、うっ!」
 長い耳に囁きながら、ゆっくりと腰を動かしていく。
 他の人に聞かれたらまずいというのはシゥもまだ判別出来ているのだろう。ハンカチ越しの喘ぎは抑え目で、少なくとも外には響いていないと思える。
 しかしそれ以上にぬちゃぬちゃという水音が狭い個室の中に響き、それが外に聞こえていないかと心配になる。
「凄く濡れてるな。映画の途中からこうなのか? 俺と君があんな風に付き合えたらいいなって思った?」
「ふ、うっ、ふ…… っっ、ふうっ」
「でもこうしてると、対等どころかレイプ――強姦だよな。腕縛ったり、目隠ししたり、口塞いだり――こんなのでいいのか?」
 答えはなかったが、シゥはふるりと震えて俺のモノを強く締め付けてきた。
 普段の男勝りな性格の裏返しなのか、性行為となると途端に強い被虐体質を見せるシゥ。そのことをよく分かっている俺は、彼女が今、具体的な言葉で反論できないのをいいことに、その長い耳へ好き勝手に言葉を囁き込んでいく。
「ふ、うぅ……」
 しばし逡巡の様子を見せた後、彼女は首を縦に振って認めた。
 強姦されたい――そんな彼女の答えに、俺は意地悪な笑みを浮かべて、モノを彼女の子宮口に捻り擦り当てていく。
「じゃあ、俺以外でもこんな風にされたら股を濡らして開くのか?」
「ふううっ! ぅううっ!」
 悪意ある囁きに、しかしシゥは髪を振り乱してぶんぶんと首を横に振った。
 つまり、俺限定で強姦されたいらしい。何とも光栄な話だ。
「じゃあ、これからはもっと乱暴にしようか。君の意思は一切無視で、場所も時間も問わずに突然押し倒されて拘束されて、その上でおちんちんを捻じ込まれるんだ。止めてって言っても聞いてくれない。射精されてお腹が膨らむまでこうされるんだ」
「う、うぅ……」
 囁かれた行為のひとつひとつを想像しているのか、小刻みに胎内を震わせるシゥ。
 言葉攻めに感じているのは明白で、俺と彼女の結合部からはとろとろと無尽蔵の源泉のように愛液が零れている。
「本当にいやらしい子だ。ミゥでもそこまで認めないだろうな」
「っっ…… っ!?、ふっ、うっ、っ、っ、っうっ!」
 最後にそう言ってやって、ぐちゅぐちゅと激しくモノを叩き付けていく。
 びくりびくりと反応することしか出来ないシゥは、その身体の震えを徐々に大きいものにしながら粗末な声を漏らす。
 俺はそんな彼女を抱え、後背立位の形に持っていく。恐らくは今回もするであろう彼女の粗相に備えて、便座の蓋を上げてやる。
 そして。
「く、出る……っ!」
「ふううぅ……!」
 俺の射精を受けると同時、一際強くぶるぶると震えて、くたりと脱力した。
 一瞬遅れて、ぷしゃ、という飛沫音が響き、それに続いて、しょろろろろ、と黄金色の小水が大人しめの放物線を描きながら便器の中に落ちていく。
「毎度のようにお漏らしまでして。本当、ヅィの言う通り、妖精郷で一番強い剣士だなんて信じられないな」
「う、うう……」
 涙目で弱々しく頭を振るシゥ。
 恥ずかしさからか、あるいは何かに違うと言いたいのか。
 反論したいならすればいいのに、力なく垂れ下がった彼女の両腕は最後まで俺に抗ったり、口内のハンカチを取ろうとはしなかった。


「う、む…… ふ、あぁ、よい、ぞ……」
 後始末を終えてトイレから出て、そしてヅィと合流して車内に戻ると、やはりと言うべきかヅィは俺の耳元に口を寄せ、
「わらわが待っていた分、抱いて貰うとするかの?」
 と、俺とシゥがやっていたことを見透かしていたかのように、意地の悪い笑みと共に要請してきた。
 勿論、断るわけにも行かない。頷くと、ヅィはその笑みのままに、自身に奉仕することを命令してきた。
 そう言うわけで、やや窮屈な車の中で俺は服の前をはだけて寝転がったヅィを優しく撫でながら、胸や脇に舌を這わせていた。
「……っ」
 恥ずかしいのか顔を赤くしながらも、シゥは俺とヅィの行為から一瞬たりとも目を離さずに凝視している。時折、僅かに膨らんだお腹を撫でながら太股をすり合わせているのは彼女も興奮しているからか。
「ふふ…… 羨ましいかの」
「うっ、るせえっ」
 俺の視線を追ったのか、ヅィが妖艶にシゥへと微笑みかける。
 対するシゥはいつものように怒声を放ったが、まるで覇気はなく、虚勢というのは容易に窺い知れた。
「素直でない、のう。ふふ…… 主もこうして欲しいなら、言えばよいものを。っあ、くんっ」
 そんなふたりのやり取りの間にも、俺は訓練されたバター犬のようにヅィの右乳房を揉み、左乳房を咥えて小さな乳首を舌先で転がす。ミゥほどではないが豊満で、七人の中で最も形のよい乳房。それ故に感度もいいのだろうか。こうしていると可愛い声を聞くことが出来る。
「ああ、そこじゃ、よいぞ…… っ、あっ。ふふ、悠に食べられそうで、わらわの鼓動が高鳴っておる」
 ヅィの言う通り、彼女の鼓動は俺に聞こえるほどに、とくとく、と激しく鳴っている。
 落ち着いているようで、ヅィも相当に興奮しているのだろう。そっと指を彼女の無毛の股間に忍ばせると、ぬちりと激しく濡れる感触があった。
「あ、ふうっ…… 入れるのかえ?」
 柔らかく触り心地のいい秘肉を少しばかり指先で弄ると、にちゃにちゃと粘着質な水音が車内に響く。洪水のように濡れているそこへ軽く人差し指を挿入すると、ぬるりと容易に入り込んでいく。
「あっ、あ、わらわの中に、入ってきよる…… これは、人差し指かの? ふふ、おちんちんに比べれば太さも長さも物足りぬが、気持ち良いぞ…… あ、あっ」
 熱く濡れた膣肉の抵抗を押して、指の先を曲げてやる。
 そうするとヅィは上擦った声を漏らし、本当に気持ち良さそうに身体を震わせる。
「あっ、ふ、あぁ…… くうっ、よい、ぞ…… あ、来るっ……!」
 不意に頭を仰け反らせ、ぶるりと一際強くヅィが震えた。
 指先が柔肉に締め付けられ、はんだ付けでもされたかのように動けなくなる。そして指先に感じる、多量の液体。
 俺は咄嗟に臍を舐めていた舌をぬるりと下腹から少しだけ割れ目まで滑らせ、じゅるりと彼女の愛液を吸った。
「っ、ふああぁぁ!?」
 素っ頓狂な声を上げてヅィがわななく。
「こ、これ、そんなっ……!? ひいっ!?」
 どうやら絶頂の最中に舌を陰核に押し当てながら吸い付いたのが良くなかったらしい。
 しかし仕方ない。今も色々好き勝手やっているが、これは本来夏美さんの車であって、汚すわけにはいかないのだ。
「ひっ、あっ、うあっ」
「っ……」
 絶頂が連続しているのか、数秒前の余裕など欠片も見せずに喘ぐヅィ。そんな中で僅かに聞こえた喉を鳴らす音はシゥのものだろうか。
「っあああっ!」
 最後に軽く陰核に歯を立てると、ヅィは最後に絶叫のような喘ぎを残して脱力した。
 口を離し、指を抜いてやる。流石に満足出来たのかお叱りの言葉はなかった。アメジストの瞳はやや虚ろで、荒い息に揺れながら虚空を見つめている。
 最近では恒例となっている、激しい達し方だ。
「ふう…… シゥもして欲しい?」
「え、あ…… い、いいッ!」
 何気なく聞くと、やや呆気に取られた顔をした後でぶんぶんと首を振るシゥ。
 しかしその後、シゥはずっと息を飲むような顔で幸せそうに脱力するヅィの艶姿を見つめていた。

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更新おつです^^
最近暖かくなってきて桜前線も北海道のほぼ全域までいったみたいですねwww
そしてニニルはどんなときでもツンの気持ちを忘れていないwww

No title

お疲れ様です。
最近ほんと暑いですね^^;
プロフィール

fif

Author:fif

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