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フィフニルの妖精達02「緑のこころ」

 第二限目の授業が終了すると同時、俺は鞄を持って席を立った。
 なるべく身を低くし、目立たないように教室の出口へと向かう。
 よし、あと三メートル――!
「悠、そんなにこそこそと何処へ行くんだ?」
 そんな聞きなれた声と共に背後から肩を掴まれ、硬直する。
 その瞬間、俺は任務の失敗を確信した。
「いや、何処って…… 昼飯だが」
「ならこそこそする事ねぇじゃねぇか。一緒に行こうぜ」
 背後を振り向くと、そこには人懐っこい爽やかな笑みを浮かべた男がいた。
 今更確認するまでもない。級友の佐藤・信也だ。
「今日は何食うよ? 俺は金の問題で牛丼になりそうだがな。悠は?」
「いや…… 俺、実は今日、弁当なんだ」
「はぁ!?」
 驚きの声と共に、信也はオーバーなリアクションを取る。
「悠、お前が料理作れる事は知ってるが、今までに弁当なんか作ってきた事ねぇじゃねぇか。どういう心境の変化だよ?」
「いや、ちょっと色々と事情があって、な」
「ほー」
 何やら興味深そうに俺の鞄を見つめる信也。
 非常に嫌な予感がしたのだが、信也の次の発言でその予感が当たっている事を思い知った。
「見せてくれよ、その弁当とやら。どんなの作ってきたんだ?」
「……どうせ、好物があったらたかるつもりなんだろ?」
「流石は悠。分かってらっしゃる」
 強制的に肩を組まされながら、学生食堂へと向かう俺と信也。
 俺は一つ息を吐き、来るであろう試練をどう乗り切るか思案するのであった。


「おー、随分頑張ったんじゃねぇの?」
「まぁな」
 取り出した弁当箱を見て、信也と似たような感想を抱きながら、俺は包みを解く。
 蓋を開けると、どこぞの一流レストランが出した限定弁当のような――彩を秘めた料理の数々が、20cm四方の弁当箱の中に所狭しと並んでいた。
 思わず噴き出しかかった俺に対し、信也は流石に眉を顰める。
「なぁ、悠」
「なんだ」
「お前、こんなに盛り付けに拘る奴だったか?」
「そうだよ。普段は大雑把だけどな」
「料理のバリエーションもこんなに多くなかった気がするが」
「色々試してみたんだよ」
「朝の忙しい時にか?」
「かなり早起きしたからな」
「……以前、弁当を作ってこない理由で、お前、面倒だから、って言ってなかったか?」
「気が変わったんだよ」
「……隠し事はしてないよな? あのバカ姉貴にならともかく、よもや親友である俺に」
「してるわけないだろう」
 淡々と答えながら、俺は弁当を平らげる。
 その間、信也は終始納得がいかないといった顔でつゆだく牛丼を食っていた。


「帰った」
「お帰りなさいませ!」
 扉を開けてそう言うと同時、玄関で待機していた白い妖精――ピアに元気良く出迎えられた。
 その姿を認め、俺は一つ息を吐く。
「ど、どうしたんですかご主人様。私に何かお気に召さない事でも……」
「いや、そんな事は全然ないんだが…… 今日の弁当、誰が作った?」
「わ、私ですが…… もしかして、何か粗相を致しましたでしょうか?」
「いや。美味かったよ」
「で、では何が……」
「次からは、もう少し貧相に頼む。友人に怪しまれた」
「は、はい…… ご配慮が至らず、申し訳ありませんでした」
 実に申し訳なさそうに頭を下げるピア。
「だから言ったじゃねぇか。浮かれすぎだって」
 そんな心無い野次を飛ばしたのは、居間のテーブルの上で寝転がっていた青い妖精――シゥ。
 途端、ピアは鋭い目つきになってシゥの方向を睨む。
「黙りなさいシゥ。私は浮かれてなどいませんでした」
「どーだか。鼻歌まで聞こえた気がしますがね」
「っ、仮に浮かれていたとして、何が悪いのです。ご主人様に、好きなだけここにいてよいと許可を頂いたのですよ。貴女は嬉しくないのですか?」
「嬉しいに決まってるだろ。自分が言ってるのは、浮かれすぎだって事ですよ」
「ですから、私は――」
「煩い。摘み出すぞ」
 俺の一声で、口論がぴたりと止む。
「浮かれるのは別に構わないが、険悪な雰囲気というのは嫌いだ。それが元々仲がいいというなら、尚更な」
「申し訳ありませんでした……」
「……すまん」
「分かればいい」
 項垂れる二人を横目に自室に戻る。
 俺の自室の前――正確には、廊下を挟んで俺の部屋の反対側の部屋の前――では、紫、緑、赤の妖精、すなわちヅィ、ミゥ、ネイの三人が忙しなく動き回りながら、部屋の荷物を運び出していた。
「精が出るな」
 そう声を掛けると、最も近くにいたヅィが即座に反応した。
「おお、主か。すまぬのぅ。こんないい部屋を割り当ててもらって」
「その代わりに掃除と整頓を頼んでいるだろう。気にするな」
 朝、俺が学校に出掛ける直前。
 俺はピアに、俺の部屋の真正面にある部屋を、掃除と整頓を行う代わりに自由に使ってもよい、という条件を出した。
 その部屋は父が半ば倉庫として使っていた部屋で、散らかってはいるものの、彼女達が住む広さとしては申し分ない。
「じゃあ、また後でな」
「ああ。片付いたら一旦主に見せるからの」
「楽しみにさせてもらう」
 自室の扉を潜ると、目に付いたのはパソコンの前の人影。
 それは案の定、黒の妖精――ノアの姿で、俺が入ってきた事に気付かないぐらい熱中しているようだ。
「よう」
「……」
 そう声を掛けると、ノアは俺の方を一瞥し、またパソコンの画面に視線を戻した。
 相変わらずの態度に苦笑して、その画面を覗き込む。
 どうやら今日は地理関係の情報を収集しているらしい。
 パソコンの操作にももう慣れたようで、その動きに淀みはなかった。
「これは、将来が期待出来そうだな」
 笑いながら鞄を机の上に置く。
 今までとは違う、六人の妖精達と過ごす日々。
 多少の煩わしさはあったが、それ以上に楽しい予感があった。


 台所に向かうと、流しの前でピア、シゥ、ミゥの三人が何やら会話を交わしていた。
「――あ、ご主人様ー」
 近付いた瞬間、即座に反応したミゥがこちらを向く。
 遅れてシゥ、ピアがこちらに気付いた。
「何を話してるんだ?」
「あ、ご主人様。そろそろ食材が無くなりそうなので、お伺いに向かおうかと」
「ふむ」
 言われて、俺は冷蔵庫を開ける。
 確かに、二日前に買ってきた食材はその殆どが綺麗に使い込まれ、次の一食でほぼ完全に消費されるであろう状態だった。
「なるほど。確かに買出しに行く必要があるな」
「はい。そこで、申し訳ないのですが……」
「なんだ?」
 聞くと、ピアは実に申し訳なさそうに、
「買い物などの外に出る用事に関して、私達が表立って出て行く事は出来ないのです。ですので……」
「ああ、それぐらいは察しが付く。買い物ぐらいは自分でやるさ」
「ありがとうございます」
 ピアが頭を下げる。そんな事で謝るな、と俺は苦笑して、
「早速だが、買い物に行ってくる。何か欲しいものがあったら言ってくれ」
「欲しいものなど…… その心遣いだけで十分です」
「そう言うなよ。確かに、雇う時に代価は要らないと言ったのはピアの方だが、これは単なる俺の気持ちだ。気にせず頼め」
「しかし……」
「いいじゃねぇか。ご主人様の折角の心遣いを尊重するのも大事だと思うぜ」
 そう言ったシゥをピアは一瞬だけ睨み――そうですね、と息を吐いた。
「では、ヅィとネイ、ノアにも聞いて参りますので、少しお待ち下さい」
「ああ」
 ピアが台所から消える。
 それを見送った後、シゥは小さく笑い声を零した。
「お固いのがちょっと難点なんだよな。俺は酒を頼むわ。果実酒な」
「ああ。ミゥは?」
「んー、ボクはどーしましょうかー」
 ミゥが悩んでいる間に、ピアが戻ってきた。
 シゥは既に注文を告げた事を聞くと、では、と前置いてミゥに向かう。
「ミゥ、貴女は?」
「ちょっと悩んでますー」
「分かりました。ミゥ、貴女に幻燐記憶を渡すので、ご主人様に付いていきなさい」
「了解ですー」
 幻燐記憶? と俺が呟く前に、ピアはミゥの頬を取った。そして――
「んっ……」
 お互いに、何の抵抗もなく口付けた。
 突然の事にしばし硬直する俺。
「――はいー、受け取り完了ですー」
「ご主人様を頼みますよ、ミゥ」
 俺とシゥの見ている前で、たっぷりと五秒ほど。
 そう言ってお互いに離れると同時に、ミゥは半ば硬直している俺の手を取った。
「さー。行きましょーか、ご主人様ー」
「あ、ああ。じゃあ行ってくる」
 彼女の声に俺は硬直から解かれ、取り敢えずは玄関に向かって歩き出した。


「……なぁ、さっきのは何だったんだ?」
「さっきの、ですかー?」
 透明化したミゥを肩車しながら、俺は商店街への道を行く。
 どうにも気になって、彼女に先程の行為の意味を尋ねてみた。
「ピアと君がキスした事だ。幻燐記憶、とか言ってたが」
「ああ、あれはですねー」
 彼女の説明によれば、あれは妖精の能力の一つで、自分の記憶の一部を相手に知識として伝達する為の行為らしい。
 文字文化があまり発達していない妖精においては、重要な能力なのだそうだ。
「……という事はひょっとして、ノアがやたら情報を集めたがるのは?」
「せいかーいです。まー、半分はあの子の趣味みたいですけどねー」
 ちょっと無愛想ですけど結構頼れるんですよ、と彼女は続ける。
「自然界の常識とかー、この国の事とかー、言葉とかも。あの子が数日で勉強したのをボクたちは貰っただけですからねー」
「料理のレシピとかもそうか」
「はいー」
 小声で話しながら、俺とミゥは商店街の前まで来た。
 人通りが多くなり、流石に会話を止めようか、と思った瞬間、
「ちょっと人通りの少ないところへお願いできますかー?」
「ん? ああ」
 そう頼まれ、俺は小さな路地へと足を向ける。
 何かあるのか、と思っていた矢先、彼女の姿が実体化する。
 次いで頭の後ろで緑の燐光が散り――
『はい、もういいですよー』
「!?」
 いきなり脳内に飛び込んできた彼女の声に驚いた。
 音として聞こえるのではなく、脳に直接流れ込んでくるという形容し難い感覚。
『驚かせちゃいましたかー? 申し訳ないです』
「何をしたんだ?」
『ご主人様の脳内に直接、思考読み取り、流し込み用の回線を開きましたー』
「読み取り、流し込み用って事は……」
『はいー。ご主人様が考えた事をボクが読み取れるようになりましたし、ボクが考えた事をご主人様に流し込む事も出来ますー』
 こんな風にですねー、と彼女はちょっと怖い事をこともなげに告げた。
 つまりそれは、俺の考えた事は彼女に筒抜けで、ついで彼女は俺に聞かせたい事を強制的に聞かせる事が出来るという事で……
『心配しなくても、ご主人様にそんな酷い事しませんよー』
 頭の後ろで彼女が笑う気配と共に、そんな声が「聞こえて」くる。
 俺以外にならやるのか? と思いつつ、俺はミゥに対する評価を、ちょっと怖い子、と少し改めていた。


「こんなもんかな」
 そう俺は呟いて、買い込んだ食材の重みを確かめた。
 食費などの諸経費に関しては、毎月の頭に両親からのメッセージと共に少なくない額が振り込まれるので心配の必要はない。
『本当ならボクが持つべきなんでしょうけどー』
『気にするな。女の子に荷物を持たせるほど俺の漢は腐っちゃいない』
『女の子、ですかー。妖精には人間みたいに性別がある訳ではないので、そういう考えはなかったですねー』
 性別、か。
 そう言えばピアもそんな事を言っていたが……
『ピアもそんな事を言っていたが、そうすると妖精ってのは全員君達みたいな姿をしてるんだよな?』
『はいー』
『そうなると、子供ってのはどうやって生まれてくるんだ?』
 言った後で、なかなかセクハラな発言だなおい、と思ったが、別段彼女は気にした風もなく、
『人間のように生殖活動の必要はなくてですねー、私達フィフニル族の場合はその名前が示す通り、フィフニルの木から生まれますー』
『木…… か。ご神木みたいなものか?』
『そーですねー。そう捉えていいと思いますよー』
『なるほどな』
 一つ頷いて、そう言えば、と思い出す。
『自分で言っておいて忘れる所だった。ミゥ、君達の注文は?』
『あ、はいー。えーとですねー、まずピアが『布』だそうですー。手頃な大きさの、なるべく肌触りの良い物をお願いしたいそうですねー』
『ふむ』
『次にシゥのは『果実酒』ですねー。シゥの事ですから、アルコール度は低めでー、柑橘系がいいと思いますー』
『よく分かるな』
『そう短くない付き合いですからー。ネイは『半年間のROM命令』という…… 恋愛小説ですねー、これは』
『恋愛小説?』
『はいー。ネイはそういうの好きなんですよー』
 あの真面目そうな、眼鏡を掛けた顔を思い出す。
 同時にある級友の顔も浮かんできて、ああいうタイプには珍しくないのかもしれない、と思った。
『ヅィとノアも本ですねー。それぞれ『電車女』というサスペンス小説と『NiceBoat』という哲学本ですー』
『分かった。ミゥはどうする?』
『ボクは実はまだ決めてなくてー。ちょっと見てきてもいいですか?』
『見てきて、って…… 商店街をか?』
『はいー』
『分かった。俺は先に皆のを探して買っておくよ』
『見付かったら声を掛けますので、お願いしますねー』
 その言葉を最後に、小さな重みが肩から消える。
 軽くなった肩を少し寂しく思いながら、俺はまず近くの書店へ向かう事にした。


「……遅いな」
 肩の重みが消えてからかれこれ三十分。
 注文された品物を全て買い揃えた俺は、ベンチに腰を下ろしてミゥからの声を待っていた。
 探しに行こうにも、彼女は透明化しているだろうから見つけようがない。
「ふぅ……」
 なんとなく空を見上げる。
 アーケードの天蓋の向こうに広がる空は澄み切っていて、日はまだ高い位置にあった。
 耳に響くのは、何処からか響く蝉と犬の鳴き声。
「……」
 書店に戻って立ち読みでもしながら待つか。
 そう思って腰を上げた瞬間――
『――痛っ!』
 そんな、聞き覚えのある小さな悲鳴が脳に届いた。
『っ、うー、お願いですから追いかけて来ないでくださいー!』
 続いて流れ込んでくる必死な思考。
 俺は咄嗟に、何処にいるんだ、と思考したが、それに対する彼女からの返事はない。
『――ひぅ! 痛いですってばー! うぅー、助けてくださいご主人様ー!』
 思考から察するに何者かに追いかけられているのだろう。
 俺は荷物をその場に置いて、彼女を探す為に全力で駆け出した。
 しかし、彼女の姿は普通見えないはずだ。一体誰が……?
『痛い痛い、痛いですー! もー、ボクに何の恨みがあるんですかー!?』
 彼女を執拗に追いかけているらしい追跡者。
 俺は蝉と犬の鳴き声をバックに、ひたすら商店街を探し回る。
『うぅ……! やめてくださいよぅ……! ご主人様ぁ……!』
 次第に悲鳴は泣き声に変わり始め、時折、痛い、という悲痛な悲鳴が脳に走る。
 彼女を痛め付けている相手に怒りを覚えながら、ようやくその相手の検討が付いた俺はある場所に向かってひたすらに走っていた。
「……いたッ!」
 俺が目指したのは、商店街の細い路地の向こうにある大きな駐車場。
 その片隅で、痩せこけた犬が何もないはずの空間に向かって圧し掛かっていた。
「っ!」
 怒気を発散しながら向かってきた俺に気付き、一目散に逃げ出す犬。
 追いかけて蹴飛ばしてやりたい衝動を抑えながら、俺はその犬が圧し掛かっていた場所に手を差し出した。
 何もない筈なのに、確かに感じる小さな体温。
「大丈夫か?」
 そう声を掛けると、小さな嗚咽と共に、縮こまっていた彼女の姿が実体化する。
 涙の雫が光るエメラルドの瞳と目が合った瞬間、彼女は俺の胸に飛び込んできた。
「ひぅ…… 怖かったです、ご主人様……」
「もう大丈夫だ。バカ犬は追い払ったからな」
 子供をあやすように彼女の小さな背中を撫でる。
 彼女はしばし俺の肩に顔を埋め、小さな嗚咽を漏らしていた。


 ミゥが泣き止んだ後、その買い物――半分がやさしさで出来ている薬――を済まし、俺と彼女は家に戻ってきた。
 取り敢えずピアにミゥを任せ、荷物をシゥとネイに渡し、俺は自室に戻る。
 しばしの後、扉をノックしてピアが入ってきた。
「どうだった?」
「少し打ち身があった程度で、大事には至らないと思います」
「そうか。それは良かった」
「はい。ご主人様の手を煩わせてしまい、申し訳ありません。 ――同時に、ミゥを護って頂いてありがとうございます」
 微笑みながら一礼するピア。俺は手を振ってそれを制止する。
「謝る必要はないし、礼にも及ばない。当然の事をしたまでだ」
「それでも、ありがとうございます」
 なおも頭を下げる彼女に、俺は苦笑する。
「それが君の気持ちか」
「はい」
「なら気にせずに受け取るとしよう」
「はい。では、早速ですが夕食の準備をして参りますね」
「頼む。俺はシャワーでも浴びてくるよ」
 ピアと二人で部屋を出て、廊下で別れる。
 脱衣所で早々に服を脱ぎ散らかし、浴室に入ってシャワーノズルを手に取って、ふと、
「……そういうこと、か?」
 そう呟いた。
 彼女達が俺に尽くしてまでここに留まりたがる理由。
 シゥの言葉が正しいとすれば、彼女達は何らかの事情があって幻影界とやらに帰る事が出来ない。
 生きる為に、普通の人間が必要とする様々な代価を必要としない彼女達だが、それでも必要なものがある。
 すなわち外敵の脅威に晒されにくい安全な場所。
「だが、そうなると腑に落ちない点があるな……」
 勢い良く流れる湯を浴び、呟きながら考えを纏める。
 だが、あと少しで解が導かれそうになった瞬間、小さな声がそれを遮った。
「……ご主人様、ですかー?」
「――ん? ミゥか?」
 小さな沈黙のあと、はい、という、彼女にしては暗く落ち込んだ声が返ってくる。
「元気がないな。どうしたんだ?」
「はい、あのー…… ご一緒してもいいですかー?」
「君がいいなら構わないが」
「……ありがとうございますー」
 衣擦れの音の後、一糸纏わぬ姿のミゥが入ってきた。
 取り敢えずタオルで股間を隠した俺は、バスチェアに座って彼女と視線を合わせる。
「で、どうしたんだ?」
「はいー、あのー…… お礼をしないといけないかなー、と思いましてー」
「そんな事か。君を助けたのは当然の事だ。お礼を言われる程の事じゃない」
「でもボク、ありがとうの一言もまだ言ってないですしー……」
「だから気にするなって」
 手を伸ばし、彼女の頭を撫でる。
 ん、と呟いてそれを受け入れた彼女は、しばし目を閉じて俺にされるがままになった後、
「じゃあ、ご主人様からボクに何かご命令を頂けませんかー?」
「命令?」
「はいー。何でもお聞き致しますー。何でも…… と言うのはちょっと大げさですがー……」
 そんな魅力的な言葉を口にして、ミゥは俺に寄り添ってくる。
 取り敢えず理性を動員した俺は、少し考えて、
「じゃあ、ちょっと聞きたい事があるんだが」
「はいー、何でしょうかー?」
「君達が、今日みたいな事にならないよう、安全な場所を探していたのは分かった。何らかの事情で幻影界とやらに帰れない事もね」
「……」
「その『何らかの事情』について聞きたいんだ。駄目か?」
 俺の質問にミゥはしばし迷うような表情を見せ、
「……分かりましたー。本当はピアから口止めされてるんですけどー、お話しますー」
「無理には言わなくていいんだぞ?」
「何でもって言ったのはボクですからー」
 そう言ってミゥは微笑み、俺に身体を預けてきた。
 抱き止めると、彼女は一つ息を吐いて、
「ボクたちが幻影界に帰れないのはー、戦争が起きて、居場所がなくなっちゃったからですー」
 そう、沈んだ声で語り始めた。
「戦争?」
「はいー。と言ってもこの場合は内乱…… クーデターになりますー」
「それは大変だったろう」
「はいー…… たくさんの妖精が捕まって、ボクたちもあと少しでー、って所でピアとヅィが自然界に行く事を提案したんですー」
「亡命とか考えなかったのか?」
「亡命、ですかー」
 ミゥは呟くように言って、また一つ息を吐いた。
「多分ー…… ピアが亡命の要請はしたと思いますー。でも、受け入れて貰えなかったんじゃないでしょーか」
「何故?」
「ボクが言うのも何ですけど、酷い国でしたからー。覇権主義の上、貧富の差が激しかったですしー」
 だからこそクーデターが起きたんでしょうけど、と彼女は続ける。
「自然界に来てからも大変でしたー。ノアが勉強して記憶を分けて貰うまでは全然身動きが取れませんでしたし、何があるか分からないので不安の毎日でしたー」
「……」
「人間の家にお邪魔して、お手伝いの代わりに住まわせて貰おう、というのも賭けでしたしー。酷い人間に当たったら、っていう怖さもありましたー。でも」
「でも?」
「この方法を選んで良かったと思います。ご主人様と出会えましたからー」
 そんな嬉しい答えに苦笑しながら、俺は彼女を抱き締める。
「どうだか。ひょっとしたら悪人かも知れないぞ? 今こうして優しくしているのも、君達に付け入る隙を窺っているだけかもな?」
「本当に酷い人はそんな事言いませんよー」
「あるいは、俺よりもっといい人がいるかも知れないぞ?」
「仮にそんな人がいてもー、もうご主人様がご主人様って決めたんですー」
「そうか」
 彼女の頭を撫でる。
 えへへ、と笑った彼女は、しかしふと、また表情を暗くした。
「……自分の感覚が変えられる事って、あんなにも恐ろしい事だったんですね」
「ん? どういう事だ?」
「シゥが、人間で言う煙草みたいなのを吸ってるのは知ってますか?」
「ああ。睡草だろ? 恐怖を取り除いてくれるけど、常習性があるっていう……」
 はい、とミゥは頷いて、更に表情を暗くする。
「あれは、ボクが発明した薬で…… 幻影界にいた頃は、何も考えずに、ただ命じられるままあれを作ってました」
「……」
「どんな形であれ、ボクが必要とされているのが嬉しくて……」
 懺悔のような彼女の告白。
 震えた手で文字を綴るように、彼女は続ける。
「薬が切れた時の禁断症状についても深くは考えてませんでした。薬を使い続けるに当たって『本来の効果』以外の症状は出ませんでしたから」
「本来の効果って…… 恐怖を取り除いたり?」
「はい…… でも、今日、それがとんでもない事だって、自分の身に染みて分かったんです」
 徐々に濡れてくる彼女の声。
 薬を作り続けた影響で、自分にもその効果が及んでいるという事を前提に、彼女は言う。
「ボク、戦いの時はいつもシゥやヅィに護ってもらってばかりで、怖いと感じる事は無かったんですけど……」
「……」
「今日、犬に追いかけられて、引っ掻かれて…… 身体は怖くて痛いって訴えるのに、心は全然怖くなくて、痛くもなくて」
 身体の苦痛を脳が否定するという、生命維持における極限の反応。
 彼女はそれを、あの間ずっと味わっていたと言うのだろうか。
「追い詰められた時、思っちゃったんです。このままご主人様が助けに来なかったら、どうなるんだろう、何をされるんだろう、って……!」
 恐怖を脳が否定し、蹂躙される事への期待へと転換される。
 普通の精神状態ならば到底受け入れられない、おぞましい感覚。
 それを告白し終えた彼女は、最後に再び息を吐いて、こう言った。
「ご主人様…… ボクに罰を下さい」
「罰、だと?」
「はい…… ボクが成してきた罪を、ご主人様の手で、ボクに刻み付けて下さい……」
 一歩離れ、無防備にその裸体を晒すミゥ。
 言わんとする事は分かっている。辱めろ、という事だ。
「……分かった」
 俺は一つ息を吐き、右手を彼女に向けた。
 向かってくる俺の手の気配に、彼女が強く瞼を閉じ――
「――ぷえっ!?」
 ――瞬間、俺の右手に持たれたシャワーノズルから噴き出した大量のお湯が、彼女の顔を叩いた。
「ちょ、ふあっ、ご主人様っ!?」
「何が罰だ。そんな事を言い出すアホはこうしてやる」
「え、ぷっ、ひうー、止めてくださ、けふっ!?」
 たっぷり十秒ほど。
 彼女の顔に強い水流を叩き付けた俺は、水を飲んでしまって咳き込んでいる彼女の頭を叩いた。
「君の話はよーく分かった。確かにそんな危ない薬を、その危険性もよく知ろうとせずに作り続けた君の罪は重いかもしれん」
「……」
「だが、君のその薬がなければ、また別の問題を抱えていた人もいるだろう。ひょっとしたら、その問題は君の薬など話にならないぐらい重かったかもしれない」
「……そうでしょうかー」
「そうだ。君の薬で助かった人がいて、悩む人がいる。君が薬を作らなかったら、この二者が逆になるだけの話だ。そうだろう?」
 結局、君は君の出来る事を成しただけだ、と俺は続ける。
「それなのに、君は罰を与えて欲しいとか。そもそも、求める罰は罰じゃないだろう」
「あぅー…… そうです、ね」
「分かったら、さっさと身体を洗うなり、汗を流すなりして出ろ。アホは嫌いだ。それが勘違いなら尚更な」
「う…… 申し訳、ありません」
 彼女にシャワーノズルを押し付け、浴室から出る。
 少し言い過ぎたか、と思ったが、ややあって彼女は小さな声で、
「……ありがとうございます」
 と呟いた。


 夕食も終わり、就寝の時間が近付いてくる。
 まだ掃除や整頓を続けている彼女達の部屋を最後に覗き、俺は自室で布団の中に入った。
 夕方の疲れか、すぐに睡魔が襲ってくる。
「……戦争に、亡命、か」
 平和な島国にいる俺には少しだけ縁遠い話。
 彼女達の存在が少し遠くなったような気がして、寂しくなる。
「今度、もう少し聞いてみるか」
 ピアに口止めされている、というのも気になる。
 そう思いつつ、俺は睡魔に身を任せ、瞼を閉じた。


「――ご主人様、起きてくださいー……」
 あいまいな眠りの中。
 そんな小さな声が聞こえたような気がして、俺はうっすらと瞼を開いた。
 身体がやけに熱い。おまけに、目を回した時のように平衡感覚が薄くなっている。
「誰、だ……?」
「ミゥですー…… ご主人様、気分はどうですかー?」
 そう言われて、自分の体調を再認識する。
「身体が、熱い。それに何だか、目が回ってるような」
「くす、それはいけませんねー」
 ややあって、口に何か柔らかいモノが当たる感触があって、その中から何か小さい粒のようなモノが俺の口の中に押し込まれてきた。
「ん…… それを飲んでくださいー。そしたら気分がよくなると思いますよー」
「あ、ああ」
 言われるまま、俺は口の中のモノを喉奥に入れる。
 途端、視界がクリアになり――目の前、ベッドの上にミゥが立っているのが分かった。
 だが、依然として身体の熱は消えない。
「どうですかー……?」
「おかしいな、まだ熱いぞ」
「それは多分、ご主人様のここが元気だからですよ」
 言って、ミゥは俺から布団を引き剥がした。
 俺が熱で呆けている間に、彼女は俺のパンツに手を伸ばす。
 彼女がそれを下げた途端、俺のモノがそこから飛び出した。
「なんだ、これ」
 熱の所為で気付かなかったが、俺のモノは酷く勃起し、痛いほどに張り詰めていた。
 それを見て、ミゥは妖しい微笑みを漏らす。
「ご主人様の、凄いですねー…… ボクに入るかなー……」
 蕩けた声でそう呟いた彼女は、自分の服に手を伸ばす。
 小さな衣擦れの音と共に緑の外套が落ち、彼女の髪と同じ、若草色の下着が姿を現した。
 デザインはピアのモノと同じ。何かしらの花を象った、レースの装飾が成されたブラに、それに合ったガーターベルトとショーツにソックス。
 ただ、違うのは。
「ほらー、ボクのここ、もうこんなになってますー……」
 ミゥが指し示したのは、身に着けたそのショーツ。
 彼女の秘所を包むその部分は、彼女の体液を十分過ぎるほどに吸って変色し、綺麗で、幼い一本の縦筋を浮かび上がらせていた。
「ボクのここ、ご主人様のおっきなおちんちんが欲しくて堪らないんですー……」
 肌を朱に染め、荒い淫蕩な息を吐きながらそう訴えるミゥ。
「ん、あっ…… ご主人様も、ボクのここに挿れたいですよねー……?」
 ショーツを脱ぎ、割れ目にその小さな指を添え、自分で自分を慰めながら、彼女は問うてくる。
 極度の興奮と情欲に押されて俺が頷くと、彼女は小さく微笑んで言った。
「じゃあ、ボクを犯してください…… ご主人様……」


 何の愛撫もなく、お互い着衣のまま、俺のモノはミゥの幼い縦筋を強引に割り開いた。
「あああっ!」
 処女の証を貫き、モノの先端が彼女の子宮に当たる感触と同時に、彼女が甘い悲鳴を上げる。
 俺のモノを半分近く飲み込んだその下腹はそのモノの形に盛り上がり、その異常な光景がまた情欲を誘う。
「か、は…… ご主人様、すご……!」
「っ、動くぞ」
 苦しそうに息を吐く――その苦しみも快感へと転換している――彼女に向けてそう宣言し、腰を動かす。
 小さな、しかし重い粘性の水音が部屋に響き、その度に彼女の嬌声が共に流れる。
「くあっ、ふっ、く、あ、ひ、ああっ!」
 モノが彼女の胎を掻き分け、奥の子宮を叩く度に、ただでさえ狭いそこがぎちりと締まる。
 たちまちの内に上り詰めた俺の脳を射精感が焼く。
「ぐ、あっ!」
 出すぞ、と宣言する間もなく、モノが脈動する。
 彼女の最奥で噴き出した白濁が、余す事なく彼女の子宮に注がれていく。
「あつ……! あ、凄い、お腹がぁ……!」
「ぐ……!?」
 まるで彼女の子宮に吸われるように、異常な量の白濁が噴き出していく。
「あ、は…… せーえき、凄い……!」
 瞬く間に彼女の下腹は膨らみ、妊婦のような様相を呈した。
 その圧迫感に彼女は蕩けるような笑みを浮かべ、いとおしそうにその腹を撫でる。
「ご主人様、ボクにもっと、せーえき流し込んで…… 犯してください……」
「ぐ、お……」
 淫蕩な彼女の声が脳に響き、それに反応するかのようにモノが硬さを取り戻す。
 何かがおかしいと理性は訴えるが、身体が言う事を聞かない。
 俺の手は彼女の太腿と肩を掴み、再び上下に揺さぶる。
 既に限界に近いはずの彼女の腹を突き破るように、モノが運動を再開した。
「あっ、あっ、ぐ、ふっ、っ、あ、あ、あッ!」
 モノが子宮を叩くたび、たぷんたぷんと間抜けに揺れる下腹を両手で抱いたまま、彼女がくたりと脱力する。
 力なく揺れる彼女の身体を使い、俺もすぐさま二度目の絶頂に達した。
 子宮に入り切らなかった白濁が逆流し、モノと陰門の間から勢い良く噴き出す。
 それはまるで白い小水のようで、その感覚と俺の視線に彼女は淫蕩に染まった顔を僅かに赤くした。
「あは…… ご主人様、そんなに見ないでくださいよぅ……」
 ミゥの声が再び脳内に響き、モノが反応する。
 声は危険だ、と思う一方で、やはり身体は言う事を聞かない。
 彼女が俺の手を支えに、その胎からモノを抜き取る。
 元の佇まいを取り戻した縦筋から、ごぽり、と漏れた精液を手で掬い、嬉々とした笑顔で飲み干して、彼女は続けた。
「次はー…… こっちの処女も奪って下さい……」
 そう言って彼女は身体の位置を僅かにずらし――慎ましく閉じた菊門に俺のモノを宛がった。
「心配は要りませんよー…… しばらく何も食べてませんから綺麗ですし、お薬も飲んだので、楽に入るはずですー……」
 ん、と彼女がモノに自分の身体を押し付けると、菊門が小さく開くと共に、腸液らしき液体が、とろり、とモノを伝った。
 小さく彼女が微笑んで、はぁ、と深く甘い息を吐く。
 瞬間、俺は彼女の菊門をモノで貫いた。
「お、あ、あああ、おおぉ……!」
 腹を襲った凄まじい圧迫感に、堪らず彼女は目を見開き、低い声を出したその口を両手で塞いだ。
 膣とは比べ物にならない締め付けが俺のモノを襲い、侵入を阻もうとする。
 それに負けじと、俺は最奥までモノを突き込んだ。
「お、お腹、壊れちゃ……ッ! すご…… ご主人様、ボクっ……」
 歓喜の表情に涙を浮かべながら紡いだ言葉が、小さな衝撃と共に息となって漏れる。
 直腸の最奥に当たる感触と同時に、彼女の尻肉が俺の腰を叩く。
 モノを全て飲み込んだ直腸が、異物を排泄する為にぎちぎちと蠕動する。
「っ、すご…… ボクのお腹の中、ご主人様のおちんちんでいっぱいです……」
 苦しげな呼吸と同時に、彼女の縦筋からとろりと愛液が滴る。
 それを見て薄い笑いを浮かべた俺は、彼女の直腸からゆっくりとモノを引き抜きに掛かった。
 その時の彼女の悲鳴――いや、嬌声は、彼女の為にここでは割愛する。
 少なくとも、普段の愛らしい彼女の姿からは到底想像も出来ないような、品のない台詞の羅列だった事は言うまでもない。


 口、膣、肛門。
 三つの穴を少なくとも五度は犯し、俺の身体はようやく自由を取り戻しかけていた。
「ひあ、あっ、ご主人様ッ、ボク、イっちゃ、イっちゃいますっ!」
 つい先程まで男を知らなかった生娘とは思えないほど、慣れた調子で絶頂へと達するミゥ。
 気をやってくたりと脱力するその姿を見届け、俺は彼女の胎からモノを引き抜いた。
「あ、ぅ……」
 自分の中を占めていた物が抜け落ちる感覚に、名残惜しそうな声を上げる彼女。
 力なくベッドに横たわった彼女に向けて、俺は最後の精を吐き掛けた。
 若草色の髪や下着、外套が更に白く染まる。
「えへへ…… お薬が切れてきました…… あそことお尻とお腹の中がじんじんします……」
「俺も全身が痛い…… もう許可無く使うなよ」
「はぁい……」
 膨れた下腹をいとおしそうに撫で、力なく、それでも幸せそうに笑って答える彼女。
 俺は脱力の息を吐き、ふと、ピアとの情事の時のまま、ベッド傍のスタンド近くに置きっぱなしになっているデジタルカメラの存在を思い出した。
「……どうせだ。ミゥも撮っといてやるよ」
「……はいー?」
 少し考え、俺は脱ぎ捨てられたミゥのショーツを再び彼女に穿かせた。
 そして彼女の膨れた腹に指を添え、
「あ、駄目ですよぅご主人様…… 今押したら……」
 そんな彼女の言葉だけの抵抗を無視し、その腹を軽く押した。
 瞬間、間抜けな空気音と共に彼女の縦筋と菊門から白濁が噴き出し、ショーツをあっという間に白く染める。
 着衣で、前をはだけただけの格好のまま精液の小水を漏らしたような彼女の痴態――それを俺はカメラに捉えた。
 間髪入れずにシャッターを切り、迷いなく保存する。
「何なんですかー……? 今の……」
「映像記憶装置ってところだ。今の君の恥ずかしい格好がこの中に納まった」
「……あぅ」
 彼女は頬を染め、でも、と続ける。
「ご主人様にいつでも見てもらえるなら、それもいいかもしれませんねー……」
「だろう?」
「はい……」
 答えて、彼女の瞼がゆっくりと落ちる。
「ボクは、ボクのやりたい事をやって…… 反省して、でも、後悔はせずに生きていきます…… これが、その最初の一歩……」
 ややあって聞こえてきた小さな寝息に、俺は微笑みながら小さく息を吐いて、お休み、と返した。

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